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件の女性をルーファウスの息子に引き渡し、先方との話し合いを見届けるツォンを残して、セフィロスは他のタークス達とジュノンを後にした。
頼まれていた情報集が無くなり、代わりにジュノンの海底魔晄炉跡の調査をするはめになったが、特にトラブルは無かったので帰還は予定通りだ。
コスタで数日休むとして、家に帰れるのは何日後だろうか。
帰ったら、冷蔵庫の中身を整理しなければと考えているうちに、眼下の海が南国色へと変わり始めた。



Illusion sand ある未来の物語 71



朝、セフィロス達が帰ってくると聞かされたは、レノに言われて同じ貸し出しコテージの別棟に荷物を移された。
セフィロスがルード達と帰ってきた時点で、臨時の手伝いと護衛は終わる。

今回の協力の報酬は事前に決めてあるが、ルーファウスが個人的な礼として数日コテージを借りてくれた。
このままとセフィロスが同じコテージにいては、タークス用のベッドが足りなくという理由もある。

念のため、件の女性がいなくなっても毎日不寝番を続けていたは、今朝も南国の夜明けを見ている。
午前9時にレノと交代し、そのまま荷物を移動したは、貸し与えられたコテージで荷物を片付けると大きなベッドに寝転がる。
あと3時間したら、レノが食材を買いに行くので、その間またルーファウスの護衛に戻る予定だ。
その後はまた休息し、夕方ルーファウスのコテージでセフィロス達を出迎えて一緒に夕食をとることになっていた。

レノが出かけるとき、明日の朝食の食材も頼まなければと考えながら、はゆっくり目を閉じる。
汗を流しに行きたいが、それより睡魔の方が勝ってしまう。

セフィロスと別行動をして今日で5日目。
去年の今頃の彼は、まだ丸1日と離れられずにいたのに、自ら離れてしっかり仕事ができるまでになったのは感慨深い。
脆い所があったにせよ、元々の精神力は強さがあったからこそだろう。
そのうち魔法以外は勝てなくなりそうだと小さく笑みをこぼしたは、彼の帰還に浮きだつ心をそのままに、静かに体を休めた。



護衛と平行して夕食の準備をしなければならないレノに同情したは、彼が買い出しに出た後から護衛を引き受けることにした。
脅威が過ぎ去りすっかり心に余裕が出来たルーファウスは、終始穏やかな表情で日がな竪琴を爪弾いている。
元々音楽に教養があったらしい彼は上達が早い。
気ままに音色を楽しむ姿は、本来しているはずだった隠居生活そのものだった。
しばらくしたら、ミディールの料亭を再開する予定と言っていたので、よい充電期間になれば良いと思う。

遠くの海に見える大きな雨雲に、今夜は荒れるのだろうかと考えながら、は『ゆめのたてごと』の弦を張り替えていた。
一番攻撃力が弱いのは『ぎんのたてごと』だが、銀製となると小まめに磨かなければならない手間がある。
それに対し、大型動物の牙と金属で出来た『ゆめのたてごと』ならば手入れも少なく済むので、それをルーファウスに贈るつもりだ。
調律を終えてルーファウスが持っているものと交換すると、彼は再び音で遊び始める。
形状も違えば弦の数も違う竪琴を受け取ったのに、すぐに対応できてしまう彼には少なからず驚きを覚えた。

もしかして、ルーファウスには吟遊詩人の素質があるのではないか。
そう思っただったが、万が一歌を教えろと言われたら困るので、口にするのはやめておいた。



そんな風にゆっくり過ごしていた達だったが、空に夕暮れの色が混じり始める頃、外から複数の声が聞こえてきた。
誰が帰ってきたかなど確かめるまでもなく、ルーファウスと顔を見合わせただったが、その途端、口を押さえて笑い出したルーファウスに首を傾げた。


、お前は……本当にわかりやすい」
「ぬ?」

「セフィロスが帰ってきたのが、そんなにも嬉しいか。羨ましいくらいだ」
「……失礼、顔に出ていましたか」

「顔ではなく、目に出ている。護衛はもう十分だ。セフィロスを出迎えてやれ」
「ありがとごうざいます。ですが、彼らはもう扉の前に来ていますから」

大丈夫ですよ、とが言うと同時に、玄関が開いてルード達が入ってくる。
レノの出迎える声に頷いて返したルードは、部下2人に荷物を待機部屋へ運ぶよう言うと、セフィロスと共にリビングルームへと入ってきた。


「ただいま戻りました」
「ご苦労だった。報告は既に受けている。よくやすむと良い。セフィロス、今回は、お前の協力に助けられた。とても感謝している」
「だといいが……。こちらこそ、が世話になった。騒がせたようで悪かったな」


ちょっとやらかした自覚はあるが、今回はそれほど苦労をかけていないはずだと、はセフィロスから視線を逸らしながら考える。
若いタークスと一緒に荷物の運び入れにルードが向かうと、ルーファウスがセフィロスへソファへかけるよう促したので、は飲み物を取りにキッチンへ向かった。
既に3人分のアイスティーを準備していたレノに礼を言ってトレーを受け取ると、はリビングへ戻り、セフィロスの隣に素早く腰を下ろす。


「よもや、海の魔物がこれほど増えているとは、想像していなかった。彼女をここに残してくれたのは、正解だっただろう」
「俺達が立ち去れば、遠からずこの街も魔物と対峙することになる。覚悟しておくことだな」

「そこは、WROの領分だ。我々も、恐らくお前たちと同じくらいに、ジュノンへ戻ることになる」
「そうか。……その竪琴は、から貰ったのか」

「ああ。老後の趣味だ。多いに越したことはない。さて、今日はお前達への礼として夕食に招待しようかと思っていたが……どうやらは、早くお前と二人になりたいらしい」
「?…………そのようだな」
「……ん?お二人とも、どうしました?何か言いましたか?」


そわそわとして話を聞いていなかったは、2人から視線を向けられると、ポカンとして首を傾げる。
その間も、全く落ち着く気配がない様子と、セフィロスの顔を見るたび自動で緩んでいる目元に、男二人は口を押さえて肩を震わせた。


「食事はレノに言って、適当に包んでもらうといい。帰る前に、改めて食事に招待しよう」
「そうさせてもらう。、夕食はルーファウスとは別にとる。レノに頼んできてくれ」
「そうですか?では、行ってきますね」


いつの間にそんな話になったのだろうと思いながら、キッチンに向かったは、入った瞬間、人の顔を見て笑い出したレノにまた目を丸くする。
多少頬が緩んでいる自覚があたったので、慌てて表情をなおしたつもりだが、レノから向けられる生暖かい視線は変わらない。

「貴方もセフィロス達も、人の顔を見て何を笑っているんですか?何かついているんですか?」
「笑っちまって悪かったぞ、と。でもアンタ、分かりやすく目がキラキラしすぎだぞ、と」

「……そんなに……ですか?」
「気になるなら、鏡見てきていいぞ、と。社長の話は聞こえてた。容器は出すから、自分で詰めろよ、と」

「ありがとうございます。お言葉に甘えさせていただきますね」
「アンタも不寝番ばっかで疲れてるだろ。ゆっくり休めよ、と」

「貴方の方こそ、まだ完全に本調子ではないでしょう?どうか、御無理はなさらずに」
「頼りになる相棒が帰ってきたからな。心配ご無用だぞ、と」


明るく言ってはいるが、決して絶好調とは言えない顔色のレノに、は何も言わず頷くだけで返した。
ルーファウスはツォンからの連絡を待って帰ると言ったが、わざわざこちらで待つのは、部下を休ませるためだろう。
タークスの状態を見て、必用そうなら1日くらい護衛を引き受けようと考えていると、リビングルームから二つの大きなため息が聞こえてきた。


「……レノ、何故だか今、とても釈然としない気持ちになったんですが、2人に問いただしてくるべきでしょうか?」
「さぁな。多分、聞いても何も教えてくれないぞ、と」


あちらの会話は聞こえなかったのだが、急に感じたこのモヤつく感覚は何だろうか。
自分を話題に何か言われている気がしてならないだったが、レノが言うことはもっともだし、この感覚の根拠もただの直感なので、は諦めることにした。
丁度夕食を詰め終わったので、は礼を言うと紙袋を手にリビングに戻る。

セフィロス達はこの数日の事を話していたようで、が着いたときは丁度水着を買った日の事を話しているようだった。


「まさか、最初に興味を持ったのがウェットスーツとは、流石の私も予想外だった」
は開き直りが早いが、元々は貞淑だ。肌を出さないものがあるなら、そちらを選びたがるのは自然だろう」

「なるほど。彼女は防御力が高そうとも言っていた。実用性重視かと思った……が……」
「隣で見ていてやれば問題はない。ところで、水着の形はどんなものにした?ちゃんと連絡したように、彼女の体系を考慮したものか?」

「……彼女に似合うものを選んだ。安心するといいセフィロス」
「ルーファウス、目が泳いでいるが、本当に大丈夫か?は、大概のものは着こなせるが、中には顔だけではどうにもならないものもある。それが心配だった」
「ご心配くださってありがとうございますセフィロス。ところで、私の体型の何を考慮するようにルーファウスに言ったのか、伺ってもよろしいでしょうか?」


柔らかな笑顔と声で、優しく肩を叩いたに、セフィロスの表情が固まる。
早くも虚空を見つめるルーファウスは無視し、ゆっくり振り向いたセフィロスと見つめあったは、穏やかな笑みを変えないまま、彼の頬にそっと指先を滑らせた。


「言われてみると、途中ルーファウスが店員と話をして、その後、勧められた水着には、胸の小ささを誤魔化す宣伝札がついていましたね。ルーファウスらしくないとは思いましたが……」
「…………」

「セフィロス、詳しいお話、伺ってもよろしいですよね?」
「……言い訳はしない。だが、話は俺達のコテージに行ってからだ。ルーファウス、邪魔をしたな。今日は帰らせてもらう。、行くぞ」

「わかりました。では、ルーファウス、また遊びに来ますね。お見送りは結構ですよ」


腹を決めた顔で立ち上がったセフィロスと、笑顔のまま彼の手をガッチリ捕らえているを、ルーファウスは無言で見送る。
ピリピリした空気で帰っていく二人に、台所から見ていたレノは首を傾げたが、ルーファウスの夕食時間が迫っているので気にかけるのはやめた。

ルーファウスのコテージを出たとセフィロスは、道を挟んで斜め向かいにある自分たちのコテージへ向かう。
微笑んでいるのに目が全く笑っていないに、さてどう謝るかと考えるセフィロスだったが、良い案が思い浮かぶ間もなくドアの前に着いてしまう。
良い案もなにも、とにかく謝るしかないのだが、どうやったら短時間で彼女の怒りを静められるだろうかと、ちょっとだけ考えてしまうのだ。


「私は、いただいた食事を台所に置いてきます。セフィロス、先に汗を流してきますか?」
「いや……先に話をしたい」

「わかりました。ソファで待っていてください。飲み物を用意します」
「わかった」

ルーファウスが使う大人数用のコテージとは違って、セフィロス達に提供されたのは、二人で使うには丁度いい小さなコテージだった。
小さな……と言っても、それは客室としては十分な広さで、セフィロスは一度ぐるりと中を見回すと、リビングルームのソファに向かう。
カウンターキッチンで貰った夕食を片付けるは、帰ってきたときはキラキラした目をしていたのに、今の冷めきった目と言ったらない。

普段、セフィロスが体型について確認していても、はあまり気にしないが、流石にルーファウスに言ったのは不味かった。
が怒っている点は、間違いなくそこだろう。

忙しい中、片手間で適当に返事をしていた自分を恨んだが、完全に後の祭りである。
冷房で汗が引き始めたばかりだというのに、湯気が立つ紅茶を出したに、セフィロスは綺麗な角度で頭を下げた。




その後、明日からコスタを発つまでの食事の準備や後始末を全て引き受ける事で許してもらったセフィロスは、シャワーで砂埃を落としながらホッと胸を撫でおろす。
全て引き受けると言っても、疲れたら近くのホテルや飲食店で外食すれば良いだけなので、それほど負担はないだろう。
は貰った夕食の用意をして、スープを作るからゆっくり汗を流してきて良いと言っていた。
と言っても、家にいる時のように1時間ちかく入浴にかけるわけにもいかないので、セフィロスは手早く汚れを落とすと、バスルームを出る。

ラフなシャツに着替えて洗面所を出ると、いつもはしないスパイシーな香りが漂ってきて、つい足が鍋を混ぜるの方へ向く。
髪の水分をタオルに移しながらやってきた彼に、メモを見ながらハーブを鍋に入れていたは顔を上げ、慌てて火を止めた。


「作ったことがないスープだな」
「一昨日レノが作っていたのを教えていただいたんです。少し辛みと酸味があって、美味しかったですよ」

「そうか。後で俺にもメモを見せてくれ。それと、髪を頼む」
「わかりました。では、ソファ……いえ、洗面所へ戻りましょうか」


今のハーブを入れたら終わりだったというに促され、セフィロスは洗面所に戻ると髪を乾かしてもらう。
がレノ達から教わったレシピは、ノートにまとめられて家にあるし、セフィロスもよく見ている。
だが、香辛料を多く使った料理が載っていた記憶はないので、今日のスープが口に合ったら、今度本を買ってみようと考えた。

ルーファウス達を家に保護したときもレノ達の料理を口にしたセフィロスだったが、今日の夕食も十分満足できる味だった。
わざわざミディールで人を雇わず、レノとルードを料理人にした店でも十分やっていけるのではないかとさえ思う。
自分が知る時代のタークスはここまで万能ではなかったが、時代の流れか、それとも、単にレノとルードが多才すぎるのか……。

食後の酒で唇を濡らしていると、窓ガラスを叩く音がして、セフィロスは目をやる。
昼間の風そよぐ南国の景色とは打って変わり、窓の向こうでは叩きつけるような雨が夜闇に浮かぶ景色を滲ませていた。


「おや、はやり夜から荒れますか……明日の朝は、ちょっと海に出た方が良さそうですね」
「嵐の後なら、海は濁っているかもしれない。それで遊ぶのか?」

「いえ、新種の間引きです。どうやら、嵐の後に増える傾向があるそうなので」
「なるほど。どんな魔物だった?」

「それが、遠くから攻撃しているので、見たことはないんです。透明で足が多く、長いという事はわかっていますが……」
「イカか……クラゲが……いや、見知った生き物の形ではないかもしれんな」

「ええ。ですから私も、海から出てくる前に潰しています」

家の近くに出た魔物だけでも、目にして嫌な気分になったのだ。
わざわざ地方の魔物を引っ張り出して、また嫌な気分になりたいとは思わない。
魔物は今のところ沖にしか出ていないというし、今回はに任せて大丈夫だろうと考えると、セフィロスはグラスを空にして台所へ向かった。




翌朝、予測通り増えていた沖の魔物を始末すると、とセフィロスは近くの海岸へ釣りに向かった。
昼食を持っていき、丸一日楽しんだものの、夕食に出来そうな魚を順調に釣るセフィロスに対し、の成果は毒々しい色の蛸や謎の生物だけだった。
後半のは、釣りを諦め、海岸の端で剣の素振りをしていた。

更に翌日は海の濁りが消えたのを確認して、水着姿で遊んだ。
といっても、やる事は以前ゴブリンアイランドでしたように、ボーっと浮かんだり、銛で魚を突いたりというものだ。
ルーファウスも一緒にビーチへ出てきたが、実年齢が老人な彼は、相も変わらずビーチェアで竪琴を奏でている。
1日中その調子で達がそばにいたので、タークスは十分休めたらしい。

その後も、コテージで怠惰に過ごしたり、市場へ行って地域の食材やスパイスを購入したりと、2人はコスタでの休暇を満喫した。
ルーファウスから、ツォンから交渉が終わったと連絡を受けたのは、彼らの手伝いを終えて4日後の夜。
翌日の昼にコスタを出るというルーファウスに、2人は郊外まで送るという申し出を断ると、その日の夜にフェニックスに乗ってコスタを後にした。


「到着は、真夜中になりそうですね」
「そうだな。そろそろ寒くなってくる。今のうちに着替えておこう」

バハムートであれば、日付が変わるまでには家に到着させてくれるのだが、彼からは休みが終わるまで足にするなと言われている。
外出が長引いた時点で、召喚獣達には休息日が長引く事は連絡していた。
明日は荷物の片づけと、旅の疲れを癒やす休息をとるので、次に狭間に行くのは早くて明後日。
多分バハムートは、それ以降でなければまた休みの日に呼ばれたと文句を言うので、多少時間がかかってもフェニックスでゆっくり帰ることにした。


アイシクルエリアの春は寒く、気温は南方の冬と変わらない。
フェニックスの背で、2人が長袖と厚いコートに着替える頃には、コスタの砂浜が水平線に消え、雪解け最中の大陸が見えてきた。
ついでに、アイシクルロッジの様子を見る事に決めて、北西へと進路を変える。
町はずれにある空港には多くの飛空艇が停泊していて、目を凝らせばこんな時間でも歩き回る人間やトラックが見えた。
街中の灯りはまばらだが、町と外の境界線がバリケードで囲まれているのが、設置された照明で確認できる。
物々しさは新種の魔物のせいだとわかるが、その警戒が予想以上で、とセフィロスは上空で顔を見合わせた。

「これは……買い出しのためだけに行くのは難しそうですね」
「そうだな。備蓄は十分あるが、今年新しく植えるものの種や苗は、別の地域に買いに行くことになりそうだ」

「では、それは明日決めましょう」
「わかった」


程ほどの距離に街があったのに、急に生活しづらくなり、2人は揃ってため息をつく。
未だ白く冠を被ったままの山々と、雪解けに水量を増した谷底の川、森の中を闊歩する魔物の姿を眺めている間に、フェニックスは家の前に降り立った。
早々に家に入ったところで、予想外の長旅に疲れていたこ事を自覚した2人は、荷解きと寝支度を終えると、寝酒も口にせず、慣れたベッドに横になる。
2人同じタイミングで大きく息を吐き、体の力を抜くと、どちらともなく目を合わせて頬を緩めた。

仰向けからセフィロスの方へ体の向きを変え、彼の腕に両腕を絡めて手を握ったは、彼の肩に頬を寄せて眠気に緩んだ視線を返す。
空いた手で、彼女の髪に軽く指を滑らせたセフィロスは、月明かりに照らされた頬と唇を軽く指先で辿り、彼女がくすぐったさに逃げると手を引いた。


「山の下は、大変そうですね。頑張ってくれると良いのですが……」
「俺達は俺達で、勝手にやるだけだ。、心配しなくても、俺は簡単に死なない」

「ええ、大丈夫。貴方は、きっと大丈夫です」
「……弱気になっているのか?」

「いえ、眠いだけです。もし貴方が死んだとしても、またすぐに私が蘇らせます。だから、大丈夫ですよ」
「それが本当に安心できるのか、少し疑問だな……」

「3回死んだら、貴方が何と言っても、私も出ますからね」
「1度も死ぬ気はない。心配なら、安心できるまで俺を強くしろ」

「貴方が強くなると、相手をしている私もレベルが上がってしまうんですよねぇ……」
「そこは諦めろ。もう寝るぞ」

「明後日から、手加減なしでいきますね」
「楽しみしている」








あれ……?
コスタに帰ってきたセフィロスとのイチャイチャを書こうと思ってたのに、何で水着の事で怒られてるんだ……?
寄り道話が終わったとたん、速攻でアイシクルエリアのお家に帰ってきちゃってるし……おやおやぁ?

あ、余談ですが、ルーファウスがジュノンに避難した後、つきまといが始まってからは、イリーナが一時職場復帰とうい形で家政婦をしてくれてました。

2023.08.07 Rika
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