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「俺は呪われてでもいるのか……?」 「生きていれば、色々な事があるものですよ」 「どうして遠出するたびに、遭遇する事になる……」 「不思議ですよねぇ。あ、勿論、この件は、私は何もしていませんよ」 買い物を終え、小腹が空いて入った小さなバー。 元はミッドガルのスラムにあり、エッジが出来ると同時期に場所を移して再開されたという老舗の店を訪れた2人は、カウンターの奥に見覚えがある赤いマントを見つけてしまった。 セフィロス達が入店すると同時に、あちらも気づいて目を見開き、カウンターの向こうで赤マントと話していた老婦人も何故か息を飲んでいた。 一瞬で状況を察すると同時に、つい笑いそうになったが、人受けの良い笑みを浮かべて席について聞かなければ、店の空気はかなり重苦しいものになっていただろう。 老婦人によく似た中年の男性従業員に対応してもらい、窓際の席に腰を下ろしたは良いものの、セフィロスの顔色はすこぶる悪い。 自分が選んだ店だろうに、本当に運に見放された人だと思いながら、は2人分の飲み物と名物料理を注文した。 Illusion sand ある未来の物語 65 セフィロスのあんまりな運の無さが逆に可愛らしくて、は堪えようとしても頬が緩んでしまう。 巻き込まれているのに気にした様子がなく、むしろ楽しそうな彼女に、彼は少しだけ気が楽になった。 赤マントと、多分クラウドの仲間である老婦人がこちらを気にしている気配を背中に感じるが、のんびりとした空気を変えずにいてくれるを見ていると、大丈夫だと思えてくる。 前回の遭遇に引き続き、今回も全力で知らないふりをして逃げようと決めたセフィロスは、フォローは頼んだという意味を込めて、テーブルの上にあるの手を握った。 ようやく肩の力を抜いてくれたセフィロスに、は笑みを浮かべたまま小さく頷き、こっそりと赤マントにライブラをかける。 『……ん?何だこいつ……?』 ヴィンセント=ヴァレンタインという名前はさておき、レベルが一般人のそれではない。 その上、レベル以外のHPやMPも、何故か二重に情報が出てきて、その差は倍以上だ。 しかし脅威になる強さではなかったので、まあ良いかと考えたは、ふと視線を感じてカウンターの中の老婦人に目をやる。 自分とセフィロスをじっと見ていた婦人は、目が合うと少し驚いた様子だったが、が柔く微笑んでみせると品の良い笑みを返してくれる。 反射的に笑みを返されたのは分かったが、すぐに赤マントの対応に戻る判断の速さは、さすが接客業だ。 婦人の反応に、今すぐどうにかなる事はないだろうと確信したは、視線をセフィロスに戻して少しだけ疲れが見える彼の頬をそっと撫でた。 白昼堂々イチャついている2人に、老婦人が少し驚いている様子が視界の端に見えたが、気にせず彼の髪を耳にかける。 すると、食事の前に珈琲が運ばれてきて、2人はその香りを楽しみながら一息ついた。 「先ほどの店、次から行くのはジュノンのお店だけにしましょうか」 「……そうだな。次もあの絡まれ方をされるのは避けたい。余計な時間をとられるのもな」 戦闘服の店での悶着を話題に出したに、セフィロスは理解に一瞬かかるが、すぐに疲れた様子でため息をつく。 セフィロスに対応した女性店員が目を輝かせてあれこれ勧めてきたまでは良い。 一緒にいたが、風で草が揺れてる程度の顔しかしていなかったので、ちょっと煩い店員という程度だった。 だが、面倒だったのはその後に現れた店員で、セフィロスを見るなり店の広告モデルになってほしいと、熱心に誘ってきたのだ。 普通に断っているのに諦めず、割引を交渉の条件に出されたり、視線で足の長さを測られたりと、かなり不愉快な思いをするはめになった。 最初にはしゃいでいた女性店員さえ見かねて間に入り、が先にセフィロスを店から出して丁寧に断ってくれたが、もう行きたくない店になった。 騒ぎのお詫びとして靴下をタダにしてもらえた事だけが、唯一の良い事だろうか……。 「家からはエッジの方が近いのですが、こればかりは仕方がありませんね」 「アイシクルロッジにも出店してくれれば、助かるんだがな」 「あの町は、防寒機能が優れてなければ売れませんからねぇ……」 「ああ。あそこは、それが一番命に関わる土地だからな……」 今は防寒より頑丈さを重視している2人は、残念そうに溜め息をつくと同じタイミングで珈琲を飲む。 良い香りの珈琲に頬を緩めるが、店自体は元々バーで、カウンター奥には色々な酒の瓶が並んでいた。 セフィロスの過去に関わりがなければ、夜にまた酒目的で足を運びたいくらい興味深いのだが、少し残念だ。 「母さん、今は忙しくないんだから、無理しないで座っていてくれ」 カウンターの中から聞こえた声に、セフィロスがちらりと目をやると、赤マントの接客をしていた老婦人が息子らしい従業員に止められているところだった。 食事が載ったプレートを手にしているので、給仕しようとしていたのかもしれないが、その体は頼りなくフラついている。 動き方から、脚が悪いと分かったが、それでも給仕しようとしているのは、間違いなくセフィロスとのテーブルに来るのが目的だろう。 老体に鞭を打ってまでこちらに興味をもつな、と、無理な願いをしつつセフィロス達が腰を上げようとすると、その前に赤マントの男が立ち上がり、老婦人からプレートを取り上げた。 驚いた老婦人に、赤マントは小さくため息をつくと、彼女の息子に目をやって体を支えさせる。 「無理をするな」 本当にその通りである。 赤マントの男の言葉に、内心激しく同意していると、老婦人は小さく笑みを浮かべて礼を言い、疲れた様子で近くの椅子に腰かけた。 これで自分達が赤マントと会話する事になるのは決定してしまって、セフィロスの表情がわずかに沈む。 それに苦笑いしたは、慰めるように彼の手を軽く握ると、2人の珈琲カップをテーブルの端に移した。 注文したのは、エッジのソウルフードの一つである、横倒しになった厚いハンバーガーだ。 自治体の公式で推薦している名物は、もっとゴツい肉の串焼きらしいが、住民たちは街を作った人々が仕事の合間に好んで食べた、横倒しになるほど厚いハンバーガーこそ真の名物と言っていて、軽く論争が起きているらしい。 余所者からすると、両方名物にすれば良いだろうと思うのだが、現地人にとっては譲れない何かがあるのだろう。 皿の上で倒れているハンバーガーは、天辺に刺してあるピックを掴んで立たせてから軽く押しつぶして食べるのが正しいらしい。 赤マントが持つトレーから、が料理を受け取り、テーブルの上に並べる。 少しの会話程度なら大丈夫かと考えたセフィロスは、面倒だと呟きたくなるのを我慢して、赤マントと視線を合わせた。 「注文は以上か?」 「ああ。ところで、以前、武器職人の小屋で会ったはずだが、覚えているか?帰り道で、車で途中まで乗せたが……」 「忘れるはずもない。ここで顔を合わせる事になるとはな……」 「同感だ。確か名前は、ヴィ……ヴィ……ヴァ……?」 「ヴィンセントだ」 「ああ、そうだ。悪かった」 一瞬、あの時ヴィンセントから名乗られたか思い出せず戸惑ったセフィロスだったが、何とか誤魔化しに成功する。 いつもは見せない対応をしているセフィロスに、は口を押えて笑みを抑え、片手を上げてヴィンセントに詫びた。 椅子に掛けている老婦人が、見守るフリをして注意深く様子を見ているのは分かっているが、また無理に動かれても嫌なので、そちらは好きにさせる事にする。 「本当に、このような遠い土地で再会するとは思いませんでした。ヴィンセント、貴方は、この辺りにお住まいなのですか?」 「私は定住はしていない。そちらは……?」 「俺たちが住んでいたのは、アイシクルエリアの田舎だ。新種の魔物の騒ぎで家が避難区域になって、仕方なく、別の土地へ移ることにした。今は、良さそうな土地を探している最中だ」 本当が混じっているとはいえ、よくこんな口から出まかせをスラスラいえるものだと、は和やかな笑顔を崩さないまま感心してセフィロスを見る。 余計なボロを出したら困るので、黙っている事を選んだの目の前では、セフィロスがヴィンセントと一見普通の会話を続けている。 「……が予想外だった。いくら温暖でも、あの湯気の湿気が年中続くとなると、ミディールでの夏は越えられる気がしない」 「アイシクルエリアほど乾燥している土地は少ない。同じ気候を求めるなら、近隣で土地を探すべきだろう」 「そう考えて、この街に来た。……だが、田舎育ちのせいか、やはり街中の空気は合いそうにない。食事を終えたら、カームの辺りに行ってみようと、妻と話していたところだ」 「コンドルフォート魔晄炉跡の近くにも、小さな町がいくつかある。カームが合わなければ、行ってみると良い」 「となると、ジュノンの近くか。後で調べてみよう。礼を言う」 「…………」 大変当たり障りのない、そして一見有意義な会話である。 すっかり土地を追われた不憫な若夫婦になったセフィロスとは、助言をくれたヴィンセントへ丁重に礼を言う。 それに頷いて返すヴィンセントは、一応話を合わせてくれているが、いつぞやのように全く話を信じている気配がなかった。 面倒だが、帰り道は念のため土地を見るふりをしながら数日寄り道して帰る方が良さそうだ。 明日は日中カーム近辺をうろつき、もう1泊した後にジュノンとヴィンセントが言う土地を回る。 その後、ジュノンから空路でコスタへ移動して、コレル付近の山で召喚獣を出して帰る。 休養日が伸びてしまうので、後で召喚獣達に連絡しようとが考えている間に、ヴィンセントは老婦人に手を貸しながら元の席に戻っていった。 2人がカウンターの椅子にかけるのを見送り、さてようやく食事だと皿の上を見たは、そこにあるハンバーガーを見て食べ方に悩む。 馬鹿みたいにボリュームがあるわけではないが、食べるためにはかなり大きく口を開ける必要があるし、間違いなく口周りが汚れる。 下町らしく親しみがある料理ではあるが、少し抵抗を覚えたは、カウンターの中にいる男性店員にナイフとフォークを頼んだ。 一瞬もの言いたげな顔をしたセフィロスを笑顔で黙らせると、すぐに店員が求めたものを持って席に来る。 聞けば、ナイフとフォークを求める客は普通にいるらしく、プレートに乗せ忘れた事を詫びられた。 既にかぶりついて口の端にソースをつけているセフィロスが、それを聞いてまた動きをとめたが、今更自分までカトラリーを求める気にはならなかったのだろう、彼はそのまま食事を続ける。 皿の上にあるのはジャンクフードなのに、の食事の所作が綺麗なせいで、高級な料理を食べているように見えてくる。 こういうところに、本当の育ちの良さが見えると思いながら、セフィロスは本当に同じものを食べているのだろうかと二つの皿の中身をつい見比べてしまった。 セフィロスだって食事のマナーは十分良いのだが、目の前に比較対象がいるとどうしても違いは感じる。 自身はとても親しみやすく……いや、今となってはルーファウス達とセフィロス相手だけかもしれないが、それでも人当たりは良い。 けれど、ふとした瞬間に、庶民と貴族の間にある壁とやらが見え隠れして、人を近づけにくくさせている気がした。 お陰で妙な虫がつかない安心感があるので、そこをどうにかしたいなんて、セフィロスは思っていないが。 途中で珈琲が無くなり、食事に合う炭酸水を頼んだに続いて、セフィロスも同じものを頼む。 ヴィンセントと婦人は相変わらずセフィロスの様子を気にかけているが、最初ほどの警戒心は無くなっていて、不快感は無かった。 セフィロスに思いっきり怒られてから食欲が大きく落ちたは、まだ以前の食事量に戻っていない。 予想通り、彼女は料理が残り4分の1になったところで限界になってしまい、セフィロスが残りを引き受けた。 「ありがとうございます。ですが、もう口元を拭いてしまわれたでしょう?よろしいんですか?」 「それぐらいを気にするな」 この小さな店で食事を残す方が気になる。 そう考えながら炭酸水で喉を潤したセフィロスは、ふと、がほんのり頬を染めて微笑んでいる事に気が付いた。 そんな表情をさせる何かがあっただろかと内心首を傾げていると、彼女は残すはずの料理を小さく切り分けると、フォークに刺してセフィロスの口元へ差し出してくる。 「………………助かる」 「いえ、こちらこそ」 別に今は疲れていないし、ここは外だし、普通に人の目があるのだが……。 他にもいろいろ言いたくなったセフィロスだったが、数秒考えて些細な事だと結論を出すと、大人しく口を開ける。 店を間違えたかと思うほど上品に食事していたと思ったら、いきなりバカップルを始めた2人に、ヴィンセント達が驚いている気配がしたが、それも些細な事として脳内処理した。 残る食事はあと数口で食べ終わる。 満面の笑みでフォークを差し出したに、またセフィロスが口を開けるとほぼ同時に、店の奥の扉が開き何かが落ちる大きな音がした。 何が起きているか気配で分かっているが、反射的にといった風に振り向いたセフィロスは、カウンターの奥で呆然と立ち尽くす老人を見る。 顔に刻まれた皺のわりに背筋は伸び、あらわになった腕には老体にも関わらず見せかけではない筋肉がある。 かつて金色だった髪は真っ白に変わっているが、あのチョコボのようなツンツン頭は全く変わっていなかった。 どう見ても、ジジイになったクラウドである。 目を見開いて固まるクラウドの視線の先には、かつて何度も刃を交え、その度に倒した男がいる。 もはや二度と会う事はないと思っていたはずの宿敵が、なぜ老い先短くなった今になって現れ、しかも店の名物料理を食っているのか。 よく見れば女連れだし、あーんまでされているし、こちらの事など気付いていない風で、何だあの爺さんみたいな顔をしているし。 あまりにも他人のような反応をするセフィロスに、一瞬、見間違いか他人の空似かと思ったが、しっかりと見つめあう視線の先にいる男はクラウドの記憶のままだ。 いや、よく見れば記憶より、少しだけ表情が柔らかいし、狂気に染まった目はむしろ冷静な人間のそれだが、何十年も前の記憶ならば誤差くらいあるだろう。 あの男と同じ人間など、そうそういるはずがない。顔も、体格も、あの長い銀の髪も。寸分違わぬ人間など、いてたまるか。 何故ヴィンセントが動かないのか、何故ティファはすぐに自分を呼ばなかったのか、何故息子は呑気に珈琲カップを洗っているのか。 混乱しすぎて余計な事を考えてしまいながら、素早く店内に視線を走らせたクラウドは、一瞬目を離した隙に顔を背けたセフィロスにまた目を向ける。 「、あの老人、お前の事を凄い顔で見ていないか?」 女じゃなくてお前を見てるんだよ。 何をとぼけた事を言っているのかとセフィロスの後ろ頭を見ていると、連れの女が困った顔で一瞬クラウド視線を向け、小首を傾げながらセフィロスへ視線を戻す。 勝手に女に興味を持っている事にされてイラッときたクラウドだったが、当の二人はそんなクラウドの事など気づいた様子もなく、またあーんとかやって見つめあっている。 深い因縁がある間柄のはずなのに、忘れたころにいきなり現れて、他人のふりをぶっこきながら呑気に食事を満喫しないでほしい。 それともこれは、自分にあの世からお迎えが来ていて、走馬灯がバグって変な幻ても見ているのだろうか。 もしそうだとしても、こんな走馬灯で死にたくはない。 そもそもあの黒髪の女は誰だと思いながら、クラウドは落とした荷物を避けてセフィロスの席へ向かおうとする。 一瞬で戦う者の雰囲気に戻ったクラウドは、老いた我が身に差し違える覚悟を決める。 しかし、宿敵に近づこうと1歩を踏み出した瞬間、彼の体に凄まじい衝撃と痛みが走った。 「っぐぅっ!!」 「クラウド!」 「父さん!」 うめき声にさえ響く痛みに、クラウドは崩れ落ちそうになる体で咄嗟にカウンターに手を突き堪える。 だが、その動きにさえ鋭い痛みが襲い、全身にどっと汗をかいたクラウドは、驚いて声を上げたティファと息子へ目をやる事すらできなかった。 何が起きたのか。 考えるまでもなく、よく知っている。 察したヴィンセントの憐れむような目に言い返す事もできず、自然と浅くなる息に歯を食いしばったクラウドは、かけよってきた息子に手を借りながら近くにあった椅子に腰を下ろした。 「父さん、またぎっくり腰か」 「もう。だから面倒でもコルセットはしてって言ってるじゃない」 「…………」 後ろから聞こえる会話に時の流れを感じながら、セフィロスは最後の一口を口に入れてもらう。 この後、クラウド一味の連中は何人集まってくるのだろうと、軽い現実逃避をしているセフィロスだったが、変な老人会の集まりが起きる前に立ち去る事だけは決めている。 クラウドの呻き声に軽く振り向いて様子を見るそぶりを見ると、腰の痛みもあって険しい顔をしているクラウドと目が合う。 ヴィンセントにしてしまったように、下手に話しかけるとおかしな交流を持つ事になるので、話しかけることはせずにまた視線をへ戻した。 食事も終えた事だし、とっと店を出ようと決めた彼は、後ろから感じる強い視線を遮断するように、の姿に集中した。 どんな状況でも、自分の妻は可愛らしい。 いつまでも恥じらいを忘れず、些細な事で頬を染める様は乙女のようだ。 差し込む西日に照らされる姿は、毎日見ていても惚れ惚れするほど美しい。 柔和に微笑むその瞳は昔と変わらず自分だけを映し、けれど穏やかな雰囲気の陰でクラウドたちの動向を油断なく観察し、いざとなれば動けるようにしている。 長居は間違いなく危険だ。 よし、クラウドの事はまたどうでも良くなった。 彼との関わりは、昔求められたように思い出の中でじっとしている方向で変わりない。 自分は孫。奴らとは他人。全くの初対面。そう自身に言い聞かせなおすと、セフィロスは口元をナプキンで拭い、席を立つ。 とっととこいつら寿命でいなくならないかな……と思いながら会計を頼むと、クラウドの傍にいた……多分息子が、慌てて対応してくれた。 「あの、父がすみません。何だか、お客さんが昔の知り合いに似ていて、勘違いしたみたいで」 「よくある事だ。気にしなくていい」 それにしたって未だにこちらを睨んでいるのは客商売として問題がありそうだが……と思っていたら、早速クラウドは老婦人に叱られていた。 宿敵に遭遇し、腰を痛め、旧知の仲間に呆れられ、息子にため息をつかれて、いい年をして妻に説教される。哀れな男である。 とりあえず、最低でもあと30年はエッジに来るのはやめようと決めると、セフィロスはの手を引いて店を後にした。 説教をされているせいで、クラウドがこちらを引き留められなかったのは幸いである。 街での用事が済んでいたセフィロスとは、寄り道せずに街を出ると、日が傾き始めたハイウェイを走る。 途中、道路に現れた魔物の掃討による渋滞に巻き込まれたが、月がそう高くない位置にいるうちに、2人はカームへ到着した。 |
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s 2023/07/16 Rika |
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