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「ちゅるぎのまいれうか?……ダメれすよ。今は酔っれいて手加減れきませんから、家具を傷つけれしまうかもしれません。今度素面の時にお見せしますね」
「……剣を持たない状態でもダメなのか?」

「それだと、重心が変わっれしまりまふ。慣れない動きにらりますらら、余計に危険になってしまいます。窓ガラスが割れららろうするうれすか?」
「……残念だ」

「どどうちあららにぼおぼえれぼらいばふははへ」
「そうか……何を言っているのか分からんが、とりあえず今日はもう寝た方が良さそうだな」

「ろうれすよー。間違ってあららの首から下を切り刻うでしばうかぼしればせんかられー」
、今、首から下を切り刻むと言ったか?」

「いいいばしたよ。らからやべばしょう。今日はあららにすすべられれふかさけしすぎばした」

強い酒を短時間で飲ませすぎたせいで、の言葉は殆ど理解不能になっている。
首狩り炭坑節とやらを期待していたセフィロスだったが、流石に酔っ払いの踊りで生首にはなりたくないので、大人しく諦めることにした。
後で寝室に運んでやるから先に休めと言えば、は頷いた瞬間に眠りに落ちてしまう。
ちょっと無理をさせすぎたと反省しながら食器を片付けるセフィロスは、ふと、既に火が消えた暖炉に気が付き、けれど全く寒さを感じない自分に、ソファで横になっているへ目をやる。
ソファに触れれば、そこは初冬の夜らしい冷たさだが、次いで触れた彼女の髪はセフィロスが感じるのと同じ暖かさがある。

眠っている間さえ気を抜かないその過保護さに、彼女の方が昔の自分よりずっと重症だと苦笑いを零すと、セフィロスは彼女の体を抱き上げて寝室に向かった。




Illusion sand ある未来の物語 36






「はい。では、詠唱付きでホーリーを使ってみてください」
「……『貴様の薄汚い〇〇を抉り出してその腐った目玉と入れ替えてやる』ホーリー」

「お上手です。予習を多めにしたとはいえ、1度で成功なさるなんて、流石です」
、そうは言うが、俺にはお前が喜んでいるように見えない」

「セフィロス、世の中には、知らぬ方が良い事もあるのです」
「……俺の詠唱はどう聞こえているんだ?」

「発動さえすれば、細かいことなど良いのですよ。さあ、今の感覚を忘れないうちに、繰り返してみましょう。的はまだたくさん用意してあります。今ほどのダメージであれば、氷壁も夕方までは持ちますから、ご安心ください」
「…………」


納得できていない顔のセフィロスに、反復練習を笑顔の圧力で押し付けると、は辺りを覆う氷壁の強度を更に上げる。
次元の狭間の様子をオーディンに尋ねたものの、残っているの魔力を消すにはまだ時間がかかっているようで、冬の間は無理だと言われてしまった。
とにかく空気中に漂うの魔力を消費するという名目で、毎日のように召喚獣達が具現化し、暴れたり魔力を取り込んで自身を強化したりしているようだ。
だが、100年近く垂れ流し、時に大放出していた強大な魔力はそう簡単に消えるものではなかった。

暫く回復が主な白魔法だけだったセフィロスの魔法も、彼が元々マテリアを使って魔法を使っていたこともあって、の予想を遥かに上回る速度で習得が進んでいる。
白魔法は、レベルが上がると回復以外の魔法があり、家の中で済ませることが難しく実地が保留となっていた。
そのため、やむなく、が庭の一角にブリザガで魔法訓練用の大きな箱部屋を作り、そこで実地訓練をする事になった。

おかげで、山から捕獲してきた弱いモンスターを相手にした、コンフュやバーサクの習得は難なく終える。
他の魔法も一通り試し、発動と効果に問題ない事を確認したのは昨日の事だ。

そして今日、いよいよ白魔法の最上級であり、唯一の攻撃魔法ホーリーを試してみたのだが、結果は見事成功。
セフィロスの手から放たれた神聖な白い光は、が作った氷の的にぶつかると、それを跡形もなく吹き飛ばして見せた。

本来なら喜ぶべきなのだが、ホーリーは過去、渾身のメテオを防がれた魔法だ。
しかも、世界に一つだけのマテリアで、特殊な一族の者しか発動できない、稀で貴重な魔法なのである。

勿論、過去セフィロスがメテオを防がれたホーリーとは、威力は段違いではあるのだが、同じ魔法を自分が習得している事に複雑な気持ちになる。
過去目の当たりにしたホーリーは、ライフストリームを使ったものなので、同じ名ではあるが厳密には違う魔法だとは思う。
思うのだが、多分が本気を出せば、彼女が使うホーリーでも、自分が出したメテオを木っ端微塵にできるのではと考えてしまった。
いや、木っ端微塵どころか、それ以前のメテオの発動事態を、魔力操作とか何か意味不明な技術で妨害してきそうだ。

最近ようやく余裕が出てきて色々見れるようになってきたが、何度考え直し、思い直しても、セフィロスはが昔より強くなっている気がしてならない。
元々変な女だったので、多少の変化は気にしていなかったのだが、昔はセフィロスにもある程度見えていた彼女の『限界』が最近どうにも行方不明だ。
唯一ハッキリと見えるのは、飲酒量の限界ぐらいである。
自身、確かに昔より調子が良いとは言っているが、何故かそれを誤差の範囲程度にしか考えていない。
セフィロスの予想ではHPが1桁か2桁ぐらいは違いそうなのだが、それを誤差と考えて頓着しないあたり、やはりこの女はかなりおかしいとセフィロスは思う。

そんなおかしい女が、セフィロスのホーリーの詠唱を聞いて、張り付けたような微笑を浮かべて指導を続けているのだ。
そして彼女の目に映るのは、発動した魔法でもセフィロスの姿でもない、『無』である。
気になる詠唱も、聞いているが頭には入れていないといった風で、とにかく魔法の構築と発現とその後のコントロールにしか目を向けていない様子だった。

一体自分は何と言っているのか。の態度を見るたび、セフィロスは気になって仕方がない。
最初の授業こそ驚いていただったが、次からは頭を切り替えたようで、あまり発音に口出しはしなくなった。
発音が上手くいかないのは仕方ない、むしろ違う世界の古代語訛りな言語なのだから、上手くいかなくて当たり前。そう言いながら、目がどこか違うところを見ているのだ。気にするなという方が無理だろう。

割と口汚い言葉としか教えてくれないには、どう問うたところで答えはくれないだろう。
頼りになりそうなのは、ラムウか、オーディンという、会話が成立しそうな召喚獣だけ。
けれど彼らは、次元の狭間の掃除で忙しく、暫くこちらには顔を出せないという。


、暫く集中したい。少し離れてもらえるか?」
「わかりました。エーテルは用意してありますが、あまり無理はなさらないでくださいね」

「ああ。気を付ける」


と違い、無尽蔵なほどMPがあるわけではないセフィロスは、どうやったら効率的に魔法を発動できるか考えた。
白魔法の習得こそ、予想以上のペースで進められたが、それでも暦の上ではもうすぐ年が変わる。
は暇つぶしの一つとして、ゆっくり進めて良いと言ってくれているが、セフィロスの方が彼女から教わる魔法に面白さを感じて急かしている状況だった。
最近では、次に教える魔法の教本作成が間に合わないと言って、夜な夜なダイニングテーブルでペンを走らせているので、そろそろ魔法の授業の休止を言い出されるかもしれない。

白魔法の習得が終わったら、少し休んで、年明けに以前から言っていた旅行にでも行こうか。
そう誘ったセフィロスに、は即座に頷き、ミディールの温泉宿を調べてほしいと頼んできた。
繁忙期を過ぎているとはいえ、休暇時期の観光地で丁度良い宿を探すのは難しく、少しだけ難儀している。


「セフィロス、何か、分からない箇所でもありましたか?」
「いや、少し別の事を考えてた」

「最近、少し根を詰めすぎでは?休憩を挟みながらでも大丈夫なのですよ?」
「……そうだな。だが、大丈夫だ。休憩が必要なら、こちらから言う」

「そうですか。わかりました」
「ああ、心配をかけた」

「いえ」


一応納得したという顔で離れていくに、セフィロスは少し気を緩めすぎたと思いなおし、魔法の練習を再開する。
何度も詠唱を繰り返し、構築に至る魔力の組み立てや性質変換の感覚を体に馴染ませていると、タイミングを見てがエーテルを差し出してくれる。
途中から無意識にそれを受け取っていたセフィロスが、ハッと我に返ったころには、陽が落ちて空は暗く、氷の壁の向こうは吹雪になっていた。


、今は何時だ?」
「6時を回ったところです。今日はもう終わりにしますか?」

「そうだな。待たせて悪かった」
「お気になさらず。家からペンとノートを持ってきて、時魔法の教本を書いていましたから」

「そうか……。そろそろ家に入る。いいか?」
「ええ。夕食は冷凍していたベヒーモスの角煮でも出しましょうか」

「まだ残っていたのか」
「丁度1食分だけですがね。よければ明日、また作り置きしようかと思うのですが、ご一緒していただけますか?」

それなら明日の魔法の練習は無しだと思いながら、セフィロスはに頷いて返す。
氷の壁から出た途端、強い風が吹きつけて、巻き上げられた雪で視界が真っ白になった。
のおかげで、突き刺すような寒さを感じることはないのだが、予想以上の強風に体が煽られた。

咄嗟にの手を引いて玄関まで向かったが、朝は膝辺りだった雪はセフィロスの胸元までの山になって積もっている。
いくら吹雪いているとはいえ、こんなに積もるほどだっただろうかとセフィロスが足を止めると、目の前の雪がジュワジュワと湯気と音を立てて溶けていった。
同時に、今まで横や後ろから吹き付けていた強風がやみ、後ろからだけの風に変わる。


「氷の部屋のせいで、家までの道が吹き溜まりになっていたようです。もう大丈夫ですから、家に戻りましょう」
「ああ。そういう事だったか」


言われて振り返ると、先ほどまで使っていた箱状の氷部屋が無くなっていた。
溶けて水っぽくなった雪山の跡地を進み、家の前にたまった雪をがエアロで吹き飛ばすと、二人は玄関に入って一息つく。

その後は、いつものように家を暖め、夕食の準備をしていると、時刻はすぐに夜更けになった。
これまでは夕食後すぐに二人で晩酌をしていたが、最近はがダイニングテーブルで魔法の教本を作るため、セフィロスがソファで一人飲みしていることが多い。
冬ごもり前に買い込んだ沢山の本があるので、暇を持て余すことはないのだが、互いの姿が見える場所にいながら放置されるのは普通に寂しかった。

以前は、セフィロスが視線を向けると、気づいたは作業を終わらせてソファに来てくれたのだが、今は話しかけないと顔を上げてくれない。



「……はい、何でしょうか?」

「…………」
「セフィロス?どうかしたんですか?」


声をかけると、数秒後にペンを置いて、が視線を向けてくれる。
本来なら、もっとゆったりとしたペースで作業していただろうに、こんな時間まで忙しそうな彼女にセフィロスは申し訳ない気持ちになった。


「俺が優秀なばかりに、すまない」
「……お気になさらず。貴方が楽しんで学んでくださって、私も嬉しく思っていますよ」

「だが、お前の休息を奪う結果になっている」
「嫌なら強くいいますから、気にしないでください。ところで、少々飲みすぎでは?」

「お前が一緒に飲んでくれないからな。一人だと退屈で、どうしても、酒が進む」
「そうですか。では、果実酒に変えて、水割りにしてはいかがでしょう?ああ、今の時期なら、お湯割りにしても、温まるでしょうね」

「そうか。ところで、分かりやすく言うと、俺は今、お前に甘えられたい気分だ」
「……随分酔ってるな。……わかりました。では、片付けてそちらに行きますから、少し待ってください」


もう風呂は済ませているので、ウザ絡みするようならスリプルで眠らせてしまおうと考えると、はテーブルの上を片付ける。
ついでに暖炉に薪をくべてからセフィロスの隣に行くと、ソファに腰を下ろした瞬間腰を引き寄せられた。

せめて一口ぐらい何か飲ませてくれないだろうかとセフィロスに顔を向けると、額に頬を寄せられ、そのまま鼻を軽く齧られる。
彼の口から感じた酒気に、いつもより飲んでいるのかとテーブルに目をやったが、ボトルのワインはまだ半分も減っていなかった。


「セフィロス、疲れているんですか?」
「最近お前が俺を放置しているからだ。この半月、お前が教本を作る間、俺はずっと本を読みながら一人酒をしていた。おかげで、カレーのスパイスに詳しくなれたがな。今なら、スパイスからカレーを作れそうだ」

「おや、良かったではありませんか。今度色々取り寄せて試してみますか?」
「そうだな。楽しみにしておけ。ところで、俺が言いたいのはそういう事じゃない」

「ん?スパイスの詳しいお話ですか?あれは薬効があるものが多く、奥が深いそうですね。ちゃんと聞いていますから、どうぞ、お話になってください」
「生憎、今はスパイスの話をしたいんじゃない。、最近のお前は、俺を放置しすぎだ」

「…………そうですか?」
「そうだ。魔法の習得を急いでいないなら、教本の製作も急ぐ必要はない。違うか?」

「……まあ、そうと言えば、そうですけれど……」
「暫く教本の製作は中断して、俺との時間を作れ。嫌と言うなら、ここではなく寝室で時間を作る、俺が言っている意味がわかるな?」

「えぇ……?はい、わかりました」


そんなに追い詰めるほど放置しただろうかと内心首を傾げながら、はとりあえず了承しておく。
昼間はセフィロスに魔法を教えているし、夜の教本作りもセフィロス用のものなので、の感覚では、大分彼のために時間を使っているつもりだ。
だが、それは彼が求めている時間の使い方ではないのだろうとは理解できた。
とりあえず、ストレスを溜めすぎる前に言ってくれたので、それだけでも良しと考えると、はセフィロスに促されるままグラスに口をつける。
同時に、腰に触れていたセフィロスの手が、スカートと服の間からはみ出ていたの下着の紐を、自然に解く。


「ブォッフゥ!!ちょ、セフィロス、何をしているんですか!?」
「……ん?ああ、すまない。指に当たったから、ついな」


つい、でパンツの紐を解かれてたまるかと思いながら、はグラスをテーブルに戻して解かれた紐を結びなおす。
尚も紐を指で弄ぼうとするセフィロスの手を掴み、紐の代わりに脇腹を掴ませると、は再びグラスを手に取った。


「寝室でもないのに、何をしているんですか」
、何度か言っているが、この世界ではベッド以外で事に及んでも……二人だけで生活する家でなら、そう過剰に拒否するほど異常じゃない」

「セフィロス、そうだとしても、この件は私の心の最後の羞恥心の砦なんです」
「…………昔は、見られたら仕方ないと言って裸で堂々していただろう?」

「服の着方が分からない事と、抱かれることは別でしょう?!それに、肌を晒すだけと、行為に及ぶのでは違いますよ」
「わかるようで、わからんな。…………そのうち色々試すか……」

「何も試さなくて結構です」
「……聞こえたか。わかった、期待しておけ」

セフィロスの小さな呟きにはっきりと断りを入れただったが、それに対するセフィロスの回答はまるで噛み合っていない。
要望を聞く気が全くないその態度に、は警戒して距離を取ろうとしたが、脇腹を捕らえるセフィロスの手はビクリともしなかった。


、例えばだが、ワンルームの……昔一度行ったザックスの部屋を覚えているか?ああいう、一部屋だけの家に引っ越したとして、そこはどう線引きする?」
「ザックスが住んでいた家というと……あの独房のような部屋ですか?狭すぎて貴方と二人では生活できませんよ」


仮にも孫扱いするほど可愛がっていた友人の家に対し、酷すぎる言い方である。
確かにザックスが使っていた部屋は単身者用だったが、二人でも生活できないわけではない。
例が悪かっただろうかと思ったが、間取りは理解できているはずなので、セフィロスは訂正して話の腰を折るのはやめることにした。


「あの部屋は例えだ。それで、どうなんだ?壁と入り口ぐらいしかない狭い家に住んだ場合、寝室もリビングも境が無くなるが、お前の基準ではどう判断する?」
「部屋が分かれていないのですから、区別もなにもないでしょう。衝立やカーテンで寝室スペースを仕切っているなら区別しますけれど」

「羞恥心の最後の砦ではなかったのか?」
「恥ずかしがろうが何だろうが、別室が存在しないのならどうしようもないのでは?」

「……そうだな」
「ええ」


そんなに臨機応変に消滅する砦なら、『少なくともこの世界では異常行動ではない』と譲歩して、ソファで触れ合っても良いのではないか?
やはり、彼女の中の基準がいまいちつかめず、セフィロスは内心首を傾げつつ、逃げようとした姿勢のままだったの肩を引き寄せる。

絶対一緒に風呂に入ろうとしない事も、多分彼女の羞恥心の砦とやらなのだろう。
散々関係を深めているのに羞恥心など今更だと思うのだが、なりの女性としての恥じらいだと考えて、セフィロスは据え置くことにした。

今ある小さなこだわりの数々は、何十年かすれば些細な事になるか、有耶無耶になって忘れられるだろう。
互いに譲れない所は、いつか話し合い、もしくは言い合いながら、妥協点を探していくことになると思う。

羞恥の砦は、様子を見て攻め落とす気でいるセフィロスだった。
だが、何だかんだでが自分に甘く、譲歩して受け入れてくれることを知っている彼は、負ける気が一切していない。
いつ攻め落とすか、押すか留まるか、それを決めるだけだと思うくらい強気だった。

何故なら、セフィロスは知っているのだ。
自分が、の弱点であり、自分が望むことを彼女は最終的に受け入れるという事を。
未来を想像し、思い浮かんだの赤面しながら睨んでくる顔に、セフィロスの口は愉快そうに笑みを作る。
彼が物思いに更けている間に、気を取り直してグラスに口づけていたに目をやると、彼はそのこめかみにそっと唇を押し当てた。

決められた挨拶を返すように、彼の頬に口づけて返そうとした彼女に、セフィロスはまた目を細める。
だが、彼の表情に気づいたは、頬に唇が触れる前に動きを止め、怪訝な顔で首を傾げた。

「……セフィロス、何をニヤ……いえ、笑っているんですか?」
「お前が可愛いと思ってな」

「…………一応聞きますが、何かやらかしたんですか?」
「お前と一緒にするな」


可愛いと言っているのに、照れるどころか不審げな目を向けてくるに、セフィロスはムッとして言い返すと、さっさと口づけろと頬を差し出す。
微かに首を傾げたものの、従順に口づけを返したに気をよくした彼は、テーブルにあるつまみの生ハムを彼女に差し出す。

セフィロスは先ほど甘えられたい気分だと言っていたし、今日は好きにさせようと考えると、は口を開いて彼が差し出してくれたものを口に入れる。
咀嚼している間に注ぎ足される酒に、泥酔しないようにとだけ考えながら、は彼にされるまま世話を焼かれることにした。





この二人飲んでばっかりだな(笑)

2023.04.11 Rika
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