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の部屋に行った事は覚えている。 枕元にあった荷物から、彼女の元の所持品が入った袋を出した所までは覚えている。 そこから一体何があったのか・・・ 次の瞬間には彼女のベッドの上に転がり、朝になっていた。 何が起きた・・・・? Illusion sand − 25 桃と朱を混ぜた雲が赤い空を流れ、海に身を潜め始めた太陽が海を橙に染める。 朧に輝く星々を引き連れた夜が闇を運び、ぽつりぽつりと灯る街灯が街を照らし始めていた。 その中で、今日この時だけ一際明るく照らされた港には、その場所には稀なほど多くの人が集まっていた。 接岸した船に、兵の後ろに集っていた人間達はざわめき、甲板から現れる人物達を一目見ようと背伸びをする。 あまりの人だかりに警備兵が増え、彼らの安全を確保する為にロープが張られると、自然と人々は列を作り始めた。 最前列で胸に社員証や身分証明書をつけた人々は、まだ見えぬ人影にカメラを回しマイクや資料を手に話し始めている。 そんな野次馬の群れを遠めに眺めながら、彼らの目当てである4人組は、下船準備完了の知らせを待っていた。 本来であれば、着岸後準備が出来次第船から下りる予定だったが、予想以上の人だかりに待ったがかけられたのである。 英雄セフィロスが目当ての人々と、神羅副社長ルーファウスが目当ての人々。 本人が人目に出る事が少ない為少数ではあるが、レノが目当ての人々。 それに加え、本人も知らないうちに有名になってしまったが目当ての人々。 実際の所、マスコミの目当てはなのだが、野次馬の殆どはセフィロスとルーファウス目当ての人間である。 はっきり言って、とレノだけで下船すれば、こんな混乱は全くなかったのだが、この二人が一緒だったことが運の尽きだろう。 そこで二人を責めるつもりは誰にも無かったが、あまりにも多い暇人の群れにヘリで出ようかという話まで持ち上がりかけた。 しかし、そこでその手を使うとなると、後の世間の風当たりが悪くなる事は明白。 ホテルで待っているツォンに、レノが遅刻の連絡をすると、向こうも事態を聞いているのかすぐに電話を切った。 会食の予定は午後5時だったが、着港時間のズレとこの騒動のお陰で、時計の針は既に6時に向っている。 耳にタコが出来そうな社長の説教を思い浮かべ、ルーファウスは大きな溜息をついた。 ようやく観衆への対処を終えた兵は、万が一の為の武装をして4人を迎えに来た。 木製の上品なドアの向こうに居た警備兵は20人強と、ソルジャーの制服を着た人間が数名。 当初の5倍近い人数に納得する4人は、囲まれるように出口へ向う。 事態が事態であるだけに、セフィロスもソルジャーと軽い挨拶を交わしただけで何も言わなかった。 元より、それほど親しくは無い間なのかもしれないが、それを抜きにしても無駄な話しは一切無かった。 タークス1人とセフィロスが居ると言っても、彼らの目当ての殆どはセフィロスである。 よもや一般人に危害を加える事も出来なければ、彼らが警備に回るわけにもいかない。 それこそ逆効果の大混乱になる事は間違い無いのだ。 観衆対策と、反神羅組織対策。 社長を始めとする上層部の異動でも、パレードならばいざしらず、ここまでした事はない。 4人を囲む兵達は、前代未聞とも思える事態に緊張を隠せないようだった。 やがて薄暗い廊下が途切れ、投光機に照らされた船外へ出る。 一気に歓声が増した中を歩く集団に、兵の間を縫うように沢山のフラッシュが焚かれた。 それに驚いたが、思わず攻撃しそうになったが、瞬時に悟ったセフィロスが、咄嗟にその腕を掴み彼女を止める。 共に歩くレノとルーファウスも、二人の様子に気付くものの止まってはならないので横目に見るだけに留まった。 の物差しで考えると、神羅副社長であり社長の息子であるルーファウスは大国の王子に当たった。 昔、主君の領内視察に随行した事もあったので、これぐらいの人が集まる事は当然と考えられる。 だが、見慣れい機械を担いで姿を追われたり、変な光を出されるのは初めてなので、警戒せずにはいられなかった。 あれは一体何なのか。 気にするような様子も無い3人に、身の危険はないと理解しながら、後でセフィロスにこの光の正体を聞こうと考えていた。 と、気を持ち直した所で、突然前を歩いてたルーファウス達が立ち止まった。 この状況で止まるのは得策ではないと思うものの、どうやら人込で警護の兵も進めなくなったらしく前方から道を開けるようにと声がする。 だがそれも人々の歓声にかき消され、下船前に配置されていた兵も、既に意味を成していないようだ。 完全に囲まれるのはマズいとわかるものの、まさか一般人に手を出すわけには行かない。 待機している車まではまだ距離がある上に、そこまでの道程すら、人に阻まれていた。 構えこそ解いたものの、状況を確認するように辺りを見回すに、セフィロスは目を向けた。 無表情だが、何処か思案しているような彼女に、大きな不安が過ぎり慌てて腕を引く。 名を呼び、大人しくしていろと言ったものの、その声はかき消されてしまった。 口の動きで何となく理解したらしく、彼女が小さく頷くと、彼は小さく安堵する。 だがその時、彼女の傍に居た警備兵が大衆に押され、その体が傾いた。 普段のならば避けられる動きではあるものの、今は人が密集しているため下手に動く事など出来ない。 咄嗟に彼女の体を引き寄せ、空いた手で傾いた兵の背を支え転倒を防いだ。 が、その兵が体制を直すまでの僅かな間に、空いた隙間を縫うように幾つもの光が焚かれる。 それに気付いた護衛のソルジャーがすぐさま間に割り込んだものの、間違いなく両手で数えるだけの写真は取られただろう。 立場上、仕方が無い事だとはわかっているものの、今回は仕方ないだけでは済まされない。 兵を押してまで写真を撮った事ではない。 問題は、安全の為とはいえを抱き寄せている状態の瞬間を撮られた事である。 騒ぎ立てる週刊誌と新聞の記事が目に浮かぶようだ。 同時に、これで益々彼女の周りが騒がしくなる事は明白。 さらばの平穏なる日々よ。 「セフィロス・・・あの・・・」 胸元から響くの声に、遠くに意識を飛ばしてしまったセフィロスはハッと我に返った。 未だ束縛していた彼女の体を離し、早く進まなければと思いかけた瞬間、じっと見つめてくる二つの視線に気がつく。 「・・・どさくさに紛れて・・・常套手段だな、と」 「流石はセフィロス。こんな時にも策士だな。が、彼女は私の大事な友人なのだが・・・」 どこぞの主婦の噂話を彷彿させるレノとルーファウスに、セフィロスのこめかみがピクリと動く。 根も葉もない事を言うなと言いたいが、それではからかわれるだけに終わるだろう。 底意地悪さ気にチラリと振り向きながらコソコソ話しあう二人に、は既に慣れた顔をしているが、言われたセフィロスはたまったものではない。 「・・・・黙って進め」 「まだ詰まっていますよ?」 嫌な雰囲気を消したくて出した言葉も、のもっともな台詞に空振ってしまう。 ニタァと笑う前列の二人を思いっきり睨みつけながら、セフィロスは大きく舌打ちした。 一体何時まで立ち往生するのか。 このままでは野次馬達にも危険だろうと、思考を別の方向に向かせると、ようやく人の合間を作った護衛達により集団は移動を再開する。 だが、また詰まるのも時間の問題だろうと考えていると、不意に肌の上を滑るような感覚がした。 風とも違う、だが確かに感じるそれに、軽く見回してみるが、他の者は気付いていないようだ。 だが、視界の隅での髪が微かに揺らめいたように見え、彼は彼女に視線を向ける。 「、これは・・・?」 「少し、動きを鈍らせるだけです。ご安心を」 ご安心じゃない。 やはり何か仕出かすつもりだったのかと、彼は慌てて彼女を止めようとするが既に遅かった。 その腕に触れた途端、今まで彼女の周りにあった空気の流れが霧散するように消える。 次の瞬間、体が妙に軽くなり、それを理解した瞬間集団の動く早さが増す。 囲む兵や前を行くルーファウス達に流され、立ち往生していたのが嘘のように集団は進んでいく。 ヘイストか何かを使ったのかと考えながら、問いただす暇も無いまま慌しく車に乗り込んだ。 車の周りに居た大衆を心配していたのだが、予想外に何も無く、4人を乗せた車は港を離れる。 幾らなんでも効果がありすぎないだろうかと、珍しげに車内を見回すを見ると、目が合った彼女は至極穏やかな笑みを返してきた。 そこは申し訳なさそうな顔をする場面ではないのだろうか。 「、何をした?」 「私達・・・護衛の方や警備の方にヘイストをかけました。 それと、失礼とは思ったのですが、集まっている民衆の方々にはスロウを・・・」 やっぱり何かしでかしたのか。 「あの人数を相手に・・・か。普通はやらないぞ、と」 「そうでもしなければ、怪我人が出るかと思いましたので」 「、やはりお前は面白いな」 一体どれだけ適応能力があるのだろう。 そんな目で見るセフィロスなど気にもしないように、レノとルーファウスはにこやかに会話している。 魔法をかけた人数や、他人が持つの情報から考えても、バレる事は無い。 そう考えれば、あまり気にする事でもないのかもしれない。 ただ、新たに知った彼女の力に対する羨望と、引き寄せた時改めて感じたの小ささに小さく息をついた。 自分の背が高い事を差し引いても、の背は平均より小さい方だろう。 それでいて極上の剣を持ち、桁違いの魔力を持っているなど、その見た目から推測する事など出来るはずもない。 だがそれは、虎の子が小さいからといって猫と間違るようなものである。 牙を剥いたならどれ程恐ろしいことか、と、過ぎる考えをセフィロスは無理矢理追いやった。 これまでの道中は、何だかんだと騒動に巻き込まれていたために、レノとルーファウスに力が露見した。 だが、それらとは関係の無い場所で知り合った人物。 彼女を診せた軍医や同じ班の兵士、ツォンや社長も彼女の力には気付いていなかったのだ。 レノ達のように勘の働く者はそう多くも無い。 これからも彼女は普通のフリをするだろうし、そう何度も騒動に巻き込まれることも無いだろう。 仮に何か起きたとしても、コスタ・デル・ソルに比べジュノンには多くの兵がいる。 ミッドガルもすぐそこにあるのだから、何か起きても彼女が対処するまでもないだろう。 頼むから、これ以上何も起きてくれるなと、セフィロスは強く祈りながら窓の向こうに目を向ける。 いつの間にか目の前にあったホテルに、玄関口を見てみるが、幸いここまで人が集まっている様子は無かった。 車から降り、足早に中に入ると白を基調とした内装のロビーが広がる。 高い天井からは大きなシャンデリアが吊り下げられ、大理石の床に反射していた。 壁や柱等、いたるところに細かな彫刻が施されているがしつこくはなく、迂闊には触れられない程の上品さを伺わせた。 いかにも高級なホテルの中には、社長達もいるため何人もの警備兵の姿が見える。 恐らく部屋がある階には同じ数のソルジャーが警備しているのだろう。 4人の到着にすぐさま気付いた受付から、品の良さ気な中年の男性が静かにでてくると、4人は短い挨拶の後部屋へと案内された。 何度か使っているのか、ルーファウスの事は既に存じているらしい。 男性は気さくに、だが決して五月蝿くも無く話をしながら、時折4人を振り返りる。 静かではあるが、怖気づいているわけでもないレノ・セフィロス・の反応に、彼は内心感嘆していた。 目に入る内装の何処にも、一般人では踏み込めないような雰囲気が漂うが、流石にルーファウスは気にもとめていない。 このレベルのホテルなど、彼にとっては当然であり興味を引く事も無いのだ。 上層部の護衛に着く機会の多いレノは、最初だけ中を見回していたが、すぐに慣れたのか我が物顔で足を進めていた。 髪の色のせいか、この建物からは何処か浮いてしまうが、その態度は悪くない。 最初から興味の無いセフィロスは、安全面の確認の為1度ちらりと見回したに留まり、あまり興味が無さそうだった。 彼もルーファウス同様このレベルでは驚かないか、単に肝が据わっているだけなのか。 ここまでの3人は、予想通りが半分。大きな関心を持たれなかった落胆が半分と言った所だった。 だが、男性がつい意識を向けてしまったのは、恐らくは一般人だと思われるの反応である。 少なくとも、初めてこのホテルの中に入った女性は、何処の御令嬢であれ感嘆の息をもらしてくれた。 どんな熟女であれ、その時はまるで少女のような表情を浮かべてくれる。 それが此処で働く彼にとって、楽しみの一つだったのだが、の反応が少しだけ残念だった。 記憶喪失と聞いていたので、恐らくは落ち着き無く辺りを見回しているか、怖気づいて何も言わなくなるかだと、彼は考えていた。 だが、ルーファウスと共に居ながら平然としている事も去ることながら、このレベルがさも当然であるかのような態度に驚かされた。 しかしそれに傲慢さは伺えず、近づきがたささえあるこの建物の空気に、は溶け込んでしまっているのだ。 ルーファウスに手を引かれ歩く姿も、表情や仕草の一つ一つに品があり、育ちのよさが伺えた。 ホテルに入る前から、の腰にはずっとルーファウスの手が置かれている。 その手を白い目で見るレノと、眉間に皺を寄せたままのセフィロスの存在など、全く気にしていないようだ。 心なしか表情の柔らかいルーファウスに、これは未来の奥方候補かもしれないと、彼はに気に入られる為の算段を始めた。 「本日このフロアは神羅の皆様の貸切になっております。警備の方も沢山いらっしゃいますし、ご安心いただけるかと」 エレベーターが最上階に着き、ドアが開くと10人近い1stクラスのソルジャーが廊下に立っていた。 神羅のトップが3人も集まるのだから、無理は無いことだが、このホテルに武器を持った男たちがウロつくのは非常に奇妙な光景である。 明らかに場の雰囲気に合わない集団だが、男性は嫌な顔一つせず一人一人丁寧に頭を下げた。 それに答え、ルーファウスに頭を下げるソルジャーの中、何人かがセフィロスに向い軽く手をあげる。 小さく頷いて返すセフィロスを見ると、彼らの視線はやはりへ向った。 目が合ったソルジャー達に微笑と会釈を返し、その前を通り過ぎるに彼らの顔は微かに緩む。 が、その腰にあるルーファウスの手に、一瞬目を丸くすると、問い詰めるようにセフィロスを見た。 反応するのも億劫になったセフィロスは無視を決め込むが、彼の眉間に刻まれる皺に、ソルジャー達は意味深な笑みを浮かべる。 いかにも『面白い状況だな』と言いた気な視線に、セフィロスがきつく睨みつけるが、全く効果は無い。 むしろ、今にも噴出しそうになる者まで現れ、彼は同僚達に初めて本気の殺意を覚えた。 僅かに燻った殺気も無表情で隠してしまえば誰も気付く事は無い。 だが、予想外か予想通りか、微々たるそれにも気付き一瞬だけ気配を変えたは流石だった。 振り向きこそしないものの、もし自分が何か行動を起そうとしたなら、彼女はその前に制止を図るだろう。 周りに人が多い中、どうやって自分を止めてくれるのか試してみたくなるが、流石にそれは憚れる。 下手な事をして警護から外されてはたまったものではない。 理由はどうあれ、この建物に入ってからルーファウスに独占されていたの意識が、少しでも自分に向いた。 それを喜ぶ自分がいる事に少々驚きながらも、何処かそれを解っているのも確かだ。 自分でも思った以上に彼女の事を気に入っていると、セフィロスは内心苦笑いを零す。 同時に、この先更に彼女の心配する気持ちが多くなるのだろうと考えると、胃薬は必需品になるかもしれないと思った。 それぞれの部屋に案内され、中に足を踏み入れると、既に運び込まれていた荷物がベッドの上にあった。 自分の武器と一緒に置かれているせいか、の剣がとても短く見える。 布に包まれたままのそれに、何気なく手を伸ばすと、懐からシャラリと鎖の鳴るような音が聞こえた。 胸に仕舞ったままだったの時計を思い出し、その形をそっと指でなぞる。 返しそびれ、存在を忘れ、未だ持ったままのそれに、いつから自分はこんなに物忘れが激しくなったのかと、セフィロスは小さく息を吐いた。 早いうちに返しておかなければと考えながら、取り出した時計を開くと針は17時へ向っている。 これは社長もハイデッカーも相当頭にきているだろうと、八つ当たりされる兵の事を考えセフィロスはすぐに部屋を出た。 が・・・・ 「よぉセフィロス!随分な美人さん捕まえたんじゃないの〜?」 「名前何ってんだあの子?っつか、社長息子とどうなんだよ?」 「腰に手回してたぞ腰に!!」 「いや、その前にお前はどうなの?結構ソの気とかあるんじゃねぇかオイ!?」 「何か穏やかじゃない雰囲気だったよなぁ?」 「レノも何〜か雲行きおかしかったし?どうなんだよ?どうなってんだ?」 「セフィロス、社長息子、レノ、あの子で・・・四角関係!?」 「すげぇ!昼ドラが生で繰り広げられてるぞオイ!」 「目くるめく禁断の花園!?ダメだセフィロス!絶対に勝ち取れ!そして俺達に報告しろ!」 「何だよ普段はクールなフリして、実は情熱家かよ?それとも若さか?」 「社長息子にヤキモチ焼いちゃったかぁ〜?ん?オジサンに、色々話してみ?」 「俺達は寛大だからな!いつもお世話になってるセフィロスの為に、皆で相談のってやるぞ!」 「いい同僚だな俺らは!さ、包み隠さず全て言え!!」 「ど、どうなんだ?もう手出したのか?」 「お前の事だし、何食わぬ顔でアンvな事とかイヤンvな事とかしちゃってんじゃねぇか?!」 「流石英雄は素早いな!副社長も早いけど、セフィロスも隅に置けねぇなぁ!」 「キャー!不潔よ〜!!不純よ〜!!やるなぁオイ!!」 「黙れ」 ドアを開けた瞬間群がってきたソルジャー達は、本気の殺気を放つセフィロスの呟きに、騒いでいた声をピタリと止めた。 一気に青ざめ、冷や汗を噴出した彼らは、半泣きになりながら一斉に床に伏せる。 「「「「「「「すみません・・・ホントすんません」」」」」」」 「何の騒・・・・ぎ・・です・・・・か?」 廊下を埋め尽くすように土下座し、涙声で謝罪する青年達に、ドアを開けたはその光景に目を丸くした。 向けられた謝罪の先には、青筋を浮かべ、殺気に満ちた目で歪な笑みを浮かべるセフィロスが立っている。 数秒前までの騒がしさが嘘のように静まり返った廊下で、沈黙という圧力がソルジャー達にのしかかる。 訳がわからないは、彼らとセフィロスを見比べるが、とりあえず下手な事は言わない方がいいという事だけはわかった。 「持ち場に戻れ」 怒りを押し殺したセフィロスの声に、ソルジャー達は慌てて立ち上がると本来居るべき立ち位置へ戻る。 その様子をポカーンと眺めていただったが、気にするなとセフィロスに言われ、そのまま彼の元へ歩いた。 丁度部屋から出てきたレノは、不自然に背筋を伸ばして沈黙するソルジャーに首をかしげる。 数秒送れて部屋から出てきたルーファウスも、同じような顔をしたが、時間が押している事もあり、そのまま社長達が待つホテルのレストランへ向うのだった。 |
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今回は・・・・何が書きたかったんだろう・・・? 因みに、以前BBSで輝羅様にお話していた夢主とセフィロス達の関係図(意識図?)を作ってみました。 2006.09.08 Rika |
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