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実際ここまでして良いとは、副社長から許可が下りていない。 適当に探りを入れ、交わされ流されればそれでも構わないと言う、適当な仕事だった。 あの誘拐の1件以来、坊ちゃんはをいたく気に入っているらしい。 別に誰を気に入ろうと、下働きの自分が気にする事ではないが、今回ばかりは相手が悪かった。 あんまりにも怪しすぎて、気にしないわけにもいかなくなった。 尾の先を見せた標的を理由も無く逃がしてやるほど、タークスは優しい仕事じゃない。 Illusion sand − 22 「さてセフィロス・・・私が世間話ごときでお前を呼んだと思っているか?」 「新しい任務か・・・」 「いや。残念ながら、今日はその世間話ごときをしてみようと思ってな。雑談は嫌いか?」 「・・・・・・」 薄笑みを浮かべるルーファウスに、セフィロスはからかわれたと、冷たい視線を向けた。 何が楽しくて、ロクに話しもした事の無い人間と仲良く歓談しなければならないのか。 レノに呼ばせてまで来させたのだから、新しい任務でも出されるのかと思っていたのに、この男は自分に何を話させたいのだろう。 無意味だ。 そう結論付けると、セフィロスはカップの中身を空にし、ソーサーの上に置いた。 退出の意を表す彼に、ルーファウスは少々驚いた素振りを見せるが、すぐにまた笑みを浮かべる。 「そう嫌そうな顔をするな。何、私もたまには世間話をすることもある」 「他を当たれ」 「お前でなくてはならないのだ。セフィロス」 「それほど暇じゃない」 「の事だ」 「・・・・・・・・」 取り付く島も無い彼の態度にも、ルーファウスは笑みを消す事無く、セフィロスの目を見つめる。 の名に、立ち上がりかけていたセフィロスは動きを止め、その真意を探るような目でルーファウスを見た。 数秒の後、入ってきたときと同じ台詞でルーファウスに着席を促され、しぶしぶソファに腰掛ける。 「かしこまる必要は無い。これは仕事とは切り離して考えろ」 飄々としたルーファウスに、セフィロスは盛大な溜息をつくと足を組み、ソファにもたれかかった。 甘えても上司相手とは言えない態度にも、ルーファウスは満足そうに顔を緩める。 余裕綽々の彼に、セフィロスは早く帰せといわんばかりな視線を向けながら、その口から出る言葉を待った。 「回りくどい話は止めにしよう。 単刀直入に言うが・・・・セフィロス、は普通の人間では無いだろう?」 「さあな」 「つれないな・・・安心しろ。私は、彼女をどうこうしようというつもりは無い。 私は、彼女の事を気に入っている」 「だろうな」 「出来れば私の傍に置きたいぐらいだ」 「嫌がられるだろうな」 あんまりにも突っ撥ねるセフィロスの態度に、ルーファウスは少々呆れた顔をしながら、水差しの中身をグラスに注いだ。 一口口に含み、静かに飲み込むと、顎に手をやり窓の外に視線を移す。 数秒の思案の後、再びセフィロスに向き直ったルーファウスは、笑みを消し、まっすぐに彼を見つめた。 「一昨日の騒動。私は彼女に何度も命を救われた。 その借りがある限り、彼女に不利な事はしない。誓って」 「・・・・・」 「信じないか?・・・無理も無い。 だが、これ以上私を誤魔化すのは不可能だと、お前も薄々感づいているのだろう? 社長や他の人間ならば何とかなるだろうが・・・・レノは相当疑っているようだ。 無理に詮索する必要は無いとは言っておいたが・・・」 「無理だろうな」 「やはりそう思うか?」 「当たり前だ」 ある程度の予測はしていたものの、案の定面倒事が増えたと、セフィロスは出そうになる溜息を飲み込んだ。 普段は優秀と思える彼らを、今だけは忌々しいと思う。 「心配には及ばん。レノの事は、私が何とかしよう。 お前達が口を出すより効果はあるはずだ」 「・・・・・・・・」 「にも、適当に調子は合わせてやると言っているのでな。 そう・・・お前にはまだ言っていなかったかもしれないが、お前達が助けに来る前に、彼女と少し話をしてな」 「・・・話・・・?」 「そうだ。私はが、魔法の威力増徴や形状変化が出来るとは思っていないと。 それらを失敗と言い、普通のフリをしているなど私は思っていないから、安心しろと言った。 ああ、それと、ドラゴンも、実は楽勝だっただけだろうことも知らないと言ったな。 大人しく敵に捕まっていたのも、いつでも逃げられるからだったとは思っていない。 彼女は魔法の扱いが下手なだけのごくごく普通の人間だと私は分っていると言ってやった」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「彼女は肯定しなかったが・・・正直な女だ。何食わぬ顔をしていたが、少し表情が強張っていたな。 好きなだけ失敗し、遠慮なく魔法でドアの前のモンスターを一掃するがいいと言ったら、見事やってくれた」 「・・・・・・・・・」 つらつらと語るルーファウスは、今までに見たことも無いほど楽しそうで、セフィロスはそのままソファに倒れ込みたくなった。 あの状況で、そんな言葉を並べられたの心情とその後の対応に納得しながら、だから嫌がられるのだと内心ルーファウスに毒づく。 仕方ない状況だったとはいえ、ここまで彼女を冷静に見るルーファウスに、少々感心した。 無駄な勘を働かせてくれたものだと考えながら、ここまで言われれば潔く認めざるを得ない。 とはいえ、彼女が自分の意思で口を開かない限り、自分は何も言う気が無い事に変わりは無い。 結局の所、ルーファウスが自分にの事を聞くのは間違いなのだ。 も、恐らく聞かれれば答えるしか無いだろう。 セフィロスが知らないことも、全て話すかどうかはわからないが・・・。 「セフィロス。私は彼女が普通の女性だとわかっている。そうだろう?」 「・・・・・・・・・・・」 この期に及んで『普通』を強調するルーファウスに、セフィロスはの気苦労を察した気がした。 目の前に居るボンクラ副社長は、について半分本気で考え、もう半分は楽しんでいるようだ。 よくあの時が怒らなかったものだと思う。 「約束は守る。二言は無い。 後々面倒が起きないよう、ある程度彼女の情報が必要なのだ。 お前が彼女を記憶喪失と偽ったのも、大方、宝条の実験サンプルにでもされるかと思っているのだろう? 確かに、奴にとっては格好の研究材料だろうな。 マテリアを持たず、魔法が使える人間など・・・・」 「・・・・・・何故知っている?」 あの時、彼女は確かに敵から奪ったマテリアを持ち、それに準じた魔法しか使った形跡は無かったはずだ。 例え誤って別の魔法を使ってしまったとしても、ならば誤魔化すのは容易にできるだろう。 それすら出来ない状況があったとは思えないのに、何故ルーファウスがその事を知っているのか。 「には・・・記憶が曖昧だと誤魔化してやったがな・・・。 お前達が来る前。あの部屋で、私はモンスターの毒にやられた」 ああ、だから解ってしまったのかと、セフィロスは苦虫を噛み潰した顔をしながら納得した。 自分達の前に現れたルーファウスに、毒の痕跡などありはしなかった上に、彼女は『ちりょう』マテリアも毒消しも持っていない。 あの後彼女から渡されたのは、氷・炎・雷の3つのマテリアのみ。 それ以外、彼女の持ち物は何も無かったのだ。 記憶が無いと言われれば、後の誤魔化しは疑問を持たせる事にならないのだから、彼女がその事で彼に触れなかったのは当然だった。 「随分強力な毒だったようでな、私はそのまま意識が無くなった。 勿論、フェニックスの尾など持っているはずも無い。だが・・・・」 「もういい」 十分過ぎる決定打に、セフィロスは大きく息を吐いてルーファウスの言葉を止めた。 の行動は間違っていない。 あの場で毒を消し、戦闘不能で意識を失った人間を癒すのは、それが出来るならば当たり前の行動であり、そうしない人間などいないだろう。 『ちりょう』どころか、『そせい』『かいふく』まで必要な誤魔化しは、ただの悪あがきにしかならなかった。 は悪くない。 悪いのは、ルーファウスのヘソの曲がり具合である。 「そう邪険にしたがるな。先程も言ったが、私は彼女を気に入っている。 これからの事を考えるならば、私を味方につけた方が有益だとは思わないか?」 「本当にそれだけか?」 「疑り深いな・・・。 セフィロス、お前は英雄と詠われているが、神羅の中での立場は1ソルジャーに過ぎない。 賢いお前なら、自分の限界というものをわかっているはずだ。 上層部を相手に、お前がどれだけの権力を持っている?」 「・・・・・・・・・・」 「確かに、彼女に対する興味というものが理由なのは間違いない。それは認めよう。 しかし、それはお前も同じ事ではないか? 全てを語れとは言わん。だが、いずれ私の・・・神羅上層部の力が少なからず必要になる事は間違いない」 「知っている・・・」 「私は神羅としての取引を持ちかけているのではない。 へ対する、純粋な人としての興味の上で、これから必要になる助力を受け入れて欲しいと言っているのだ」 「・・・・・・・・・・」 逐一最もなルーファウスの言葉に、セフィロスはこれ以上どう反論する理も無いと、静かに目を伏せた。 だが、胸の内の何処かで確かに大きな引っ掛かりがある。 それが、ルーファウスへの信用不足か、並べられた言葉の中の見えない落とし穴なのか、見当がつかなかった。 ただ、彼の言葉を認めるとしても、それに諾の言葉を言うのは自分ではない事。 それだけはわかっていた。 「と相談しよう」 「・・・そうか。確かに、その通りだな。まあ心配するな。 たとえ良い返事が貰えなくとも、私が彼女を敵にする気が無いという事だけは忘れてくれるな」 自分の返答に、先程の悪戯染みた笑みを浮かべたルーファウスに、セフィロスは最後に今日一番大きな溜息を吐いた。 「昨日の誘拐の時、地下室にニブルドラゴンが2匹死んでた。1匹は副社長らしい銃弾で。1匹は無傷・・・・アンタが殺ったんだな?」 「ええ。魔法で倒しましたが?」 突きつけられる銃口に怯えもせず、何処か抜けたような顔で思案するに、レノは少々の苛立ちと大きな焦りを覚えた。 飄々とする彼女の目は、状況とは対象な優位に立つ者のそれだ。 状況が掴めない程、頭が悪いわけではない事ぐらいはわかる。 だが、自分の命が危ういかと思える状況ですら、まるでそれを予見していたように余裕を見せる態度に、とんだ化けの皮を被っていたものだと思った。 そう考える頭の片隅で、彼女を此処で始末する事にはならないだろう。出来ないだろうと、漠然とした考えがあった。 けれど、それを表に出して見逃すのでは仕事にならないし、胸中の疑問を解決する事は出来ない。 「魔法ねぇ・・・。俺達が見つけた時、そのドラゴンには首があった。 でも、死体を調べてる最中突然頭が爆発しやがった・・・お陰で血塗れだったわけ」 「あー・・・運が悪かったですねぇ」 だからあんなに汚かったのかと、は先日の疑問にようやく納得した。 同時に、まさかそんな丁度悪い時に見つけてしまうとは・・・と、被害を被った二人に内心頭を下げる。 とはいえ、殺気立てしまったレノに、どう収集をつけてやるべきかと考え、とりあえず、彼の話を終わらせてあげる事にした。 「全くだ。・・・で、アンタが副社長に渡した魔法マテリアは炎と氷と雷と回復。 しかも全部レベルが初期段階だ。どう考えてもそんな芸当出来る魔法なんか無い」 「そうでしょうか?」 まぁ、普通の使い方じゃぁ無理だろうな。 こちらの返答に、レノは更に表情を険しくする。 普段の彼ならば、まだ幾分か余裕はあったのだが、先程の事もあり、彼はまだ混乱を鎮め切れていなかった。 理性で働かせる思考に、感情はまだ追いつかず、その表情は不満をありありと映す。 熱くなってきたお坊ちゃんに、はどうレノを静めようかと考えた。 だが、もまた、レノ同様先程の事で穏便な解決を模索できずにいる。 段々と、適当に事実を教えて開き直ってしまおうかと考えてしまうが、彼がルーファウスのように考えるかはわからなかった。 いっその事コンフュで混乱させて昏倒させた後、階段の下に転がして『たった今転がり落ちて、気を失ってました』的な状況にしてしまおうか。 そしたら『夢でも見たんですか?』で済ませられる上に、殴って自分の気が晴れる。 おお!これはかなりの良策ではないか。 よし、早速・・・・・ いや、ダメだ。倉庫の外にも廊下にも兵士が沢山いる。 目撃者が多すぎて無理だ。 考えるのも面倒になり、は上から睨みつけてくるレノに、零れそうになる溜息を飲み込んだ。 どう策を練っても、結局この男を納得させなければ意味が無いのだ。 「・・・・・・・・・・どうやって殺した?」 「・・・・・・・・肉の塊・・・それを強固で超低温の薄い氷で包んだものを想像してください」 「それだけじゃ骨が砕けるような爆発なんかしない」 「その氷で覆った肉の内側に、高圧の電流をかけたら・・・例えば、サンダー全力で数回かけたら、どうなりますか?」 「・・・・そんな芸当できる奴なんか・・・」 「時間が経ち、表面を覆う氷の温度が下がったら吹っ飛びませんか? もっとも、普通の魔法の使い方では出来ない事ですが・・・・私失敗は得意ですので」 つらつらと語られる内容に、レノは驚愕と疑心の混じる何とも言えない表情をした。 解りやすく考えたなら、電子レンジで生卵を温めて爆発するのと同じ原理なのだろう。 それをモンスター相手にする人間など今までいただろうか? 硬い鱗で覆われたドラゴンでそれが出来るなら、他のどんな魔物相手でも、人間相手にだって出来るだろう。 その上彼女は、それすら失敗だと言い切るのだから、彼の背中には嫌な汗が伝った。 明かされた種が、彼に少なからず恐怖を与える事になるのはわかっていたが、それ故に多少の距離を置かれる事がの狙いだ。 同時に警戒もされるだろうが、彼の上司であるルーファウスがを警戒する気が無いのだから、あからさまな事は出来ないだろう。 暫くは顔をあわせる事も多くなるだろうが、面倒なことになる前にとんずらすればヨシ。 「ルーファウスも・・・・それで構わないとおっしゃいました。独断でこのような事をなさるお気持ちは理解できます。しかし、これ以上問答を続けても何か変わるとは思えませんが?」 嫌な笑みの一つでも浮かべてくれたなら、この胸にあるモヤモヤも少しは納得できる感情に出来るのに。 相変わらず、角のない笑みを浮かべて、敵意の欠片も出してくれないに、レノはお手上げだと言わんばかりに大きな溜息をついた。 適当にあしらわれているわけではないのだが、真面目に問いただしている自分が馬鹿馬鹿しくなる。 とりあえず、あのドラゴンの殺し方を教えてもらえただけで、大収穫だと考える事にした。 「アンタだけは敵にしたくないぞ、と」 「私は、誰かを敵に回す気はありませんが?」 「味方にもならない・・・か?」 「何故敵味方に分かれる必要があるんです?そう心配せずとも、私は正当防衛でない限り牙を剥いたりしませんよ」 「・・・・・・・なるほどね」 敵意は無い。あくまで中立という立場から動く気はないという彼女に、レノは小さな危惧が消えたと一応納得した。 だが、もし彼女に仇なすならば、その立場を捨て敵という存在になるという。 彼女の考えは何処の誰とも同じ。 人として当然であり、普通の判断ではあるのだが、相手が違うとこうも危うく思えてしまう。 今彼女の中で重に置かれているのは、セフィロス。それと、彼と共にを助けたという、新入りの神羅兵だろう。 後の生活工面という仕事をする神羅もまた、そちらにあると言えばあるのだが、この二人に比べるとそれ程重要視されてはいないようだ。 とりあえずの所は、傍観しているしかないと、レノは苦笑いを浮かべながら、諦めの溜息をついた。 だが、その態度とは対象に、彼の目には最後の敵意を映し、後の彼女の為というお人良しな理由の脅しが口を開かせる。 銃を向けたまま、ずいっと彼女に近づき、先程の余韻が消えた瞳を見下ろせば、それは先には無かった警戒の色が見え隠れした。 この目が敵意の色に変わったら、いったいどんな風になるのだろう。 そんな悪戯心が顔を出し、彼はの胸に銃口を当てる。 と 「この不埒者めがーーーーー!!!」 ドスッ という、鈍い音が身体に響き、同時に彼の腹部から全身にかけて衝撃が走る。 音と衝撃の割には痛みは大してなかったが、の『愚か者』に続く本日2度目の怒号に、今度は何もしていないだろうと、レノは彼女を見た。 「な、何・・・・?」 「接吻の次は乳か!!全く油断も隙もない奴だ!」 「ち・・・チチ?」 「お前のような節操のない助平小僧は初めてだ! その性根叩きなおされたくなければ、二度とこのような真似をするな!わかったか!?」 「・・・は・・・はい」 「んむ・・・・。ご理解いただけたなら、良いのです」 一体何処の雷親父が憑依したんだろう。 今時の父親ですら、こんな雷は落とさないだろうに、何処か男らしい凛々しささえ感じられる形相で怒鳴るに、レノは呆然とするしかなかった。 自分の返事に満足げに頷き、すぐにいつもの礼儀を取り戻す彼女を眺めながら、彼は自分の行動を思い起こす。 の言う「乳」に、揉んだ覚えも掴んだ覚えも無いと、濡れ衣を引き剥がそうとする。 だが、そういえば、彼女の胸に銃口を押し当てた時、指の関節に柔らかいものが触れていたきがして、レノは開こうとした口を噤んだ。 たとえ指先が触れていくとも、自分の銃はしっかり彼女の胸に押し付けられていたし、先程の事があるのだからそう考えられてもおかしくはない。 とはいえ、今までの経験上頬を引っぱたかれるならまだしも、腹を拳で殴られるなんて数える程しかなかった。 しかも、同じ相手に投げ飛ばされている上に、2回ともかなり手加減されている。 少なからず、レノの男としてのプライドは傷ついていたが、仮に加減されないとなったら、自分は最初投げ飛ばされた時点で気を失っていただろう。 「・・・・」 「何です?」 「アンタ、ソルジャーになる気は無いか?と」 タークスの仕事@ソルジャーの資質がある者のスカウト 職業柄、自然と口から出た言葉に、レノは自分で驚きながらも、良策だと考えた。 これならば、彼女は神羅の敵にはならないし、セフィロスもいるのだから承諾しやすい。 軍で保護されていた頃、ソルジャーがどんなものかを教えてもらっていたらしいので、面倒な説明も必要ないのだ。 俺、天才。 「戦うのは・・・あんまり・・・」 「悪い話じゃないと思うんだけどな・・・と」 「ソルジャーになったら、社長やハイ・・・髭さんが上司になるんですよね・・・?」 「・・・ハイ髭・・・ハイデッカーだぞ、と。部署は違うが、あいつらは上層部なんだから、当たり前だろ?」 「あ、無理」 「・・・・・・・・・・・」 そこまで嫌われる事をしたのだろうかあの二人は・・・・。 確かに社長は初対面でを愛人にしようとしたとか聞いたが、ハイデッカーは何をしたとも聞いていない。 もっとも、二人の人間性を見て拒否するというのなら、レノも気持ちはわからなくもなかった。 それに、本社に帰ったら帰ったで、キャハハとクァックァックァの2人も増える。 無害だが、縫いぐるみ集めが趣味で、時々話しかけたりしてる都市開発部門の人も・・・。 「あの二人はあと何年かすれば引退だ。上司で考えるなら、副社長を考えた方がいいかもな、と」 「・・・悪くはないかもしれませんが・・・・・・・彼は少々意地が悪すぎますね・・・」 それはきっと治りません。 あの意地悪さがなければ、ルーファウスとは呼べない。 そんな性格もどうかと思うが、そう考えてしまうほど板につき、だがそれが良いと思える彼の性格を拒否されるとなると、後は地道に探していくしかない。 「そうご心配くださらなくても、適当に生きて生けますよ。大丈夫です」 「・・・・・・・そう・・・か。ま、考えといてほしいぞ、と」 別に将来を心配したんじゃなくて、敵にならない方法を選んでいただけなのだが・・・。 それに全く気付かず、小さく微笑みながら礼を述べるに、レノはよく分らない女だと思いながらその話を打ち切った。 | ||
ルーファウスとセフィロスの遣り取りは、書いてて楽しいっす。 2006.07.25 Rika |
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